摩由璃の本棚（神月摩由璃）
このエッセイは「フロド可愛い☆」で始まった。
この本が無ければ私は『指輪物語』を手にしていなかったでしょう（正確には、このエッセイが連載された雑誌「ウォーロック」が無ければ、ですが）☆
市立図書館の書庫に眠る『指輪物語』を借り出して読んだ（そして高校の読書感想文まで書いた）時から10年以上が過ぎて、今、映画化に関連して『指輪物語』は書店の平台に積まれています。京都の某書店では、その脇にファンタジーの名作が並んでいて、そして本書『ＳＦ＆ファンタジーガイド 摩由璃の本棚』までが並んでいました。書店の平台という、特殊な状況なのであえて紹介することにしました。
本書はその名の通り、ブックガイドです。しかし、女子大学生（連載開始当時）の筆者が等身大の視線で莫迦話を交えながら本を紹介していて、その語り口に「どんな本なのだろう」「読んでみたい」と思わされました。例えば、『ゲド戦記』を紹介するときにパソコン通信（執筆当時は1987年！）とハンドル名を「真の名」と絡めたり、『エルリック・サーガ』のときに刃物好きという自分の趣味を語ってみたり。
当時、中高生だった私は、だからこのエッセイを読んでいろんな物語に出会いました。
『指輪物語』『コナン・シリーズ』『妖女サイベルの歌声』『封神演義』『神狩り』他、紹介されたうち何点かは読みましたが、まだまだ読み切れていない本も多いです。でも「青少年期に良き物語に出会える者は幸せである、心豊かになれるから。」というように、間違いなく良き影響を受けた一冊（＆たくさん）でした。
もし本書を見かける機会があったら、迷わず手にとって、そして紹介された本を読んでみてください。
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