ファンタシスタ（ボールの魔術師）

「サッカーは素晴らしいスポーツだ、俺の夢だ。どんな障害があろうと、どんな難敵が現れようと、試合終了の笛が吹かれるまで俺は決してあきらめない。」


　その世界には戦争がなかった。４年に一度開催される大会に優勝した国家が世界の主権を掌中にすると取り決められていた。サッカー・ワールドカップはただのスポーツの試合ではなく、代表選手は国家の威信と栄誉を賭けて戦っていた。磨き抜かれた技と力は人間の運動能力限界ぎりぎりまで到達し、超一流プレイヤーは神とも悪魔とも称される技を持つようになった。そのプレーで多くの人を魅了し、大観衆の声援を受けて芝の上を駆け抜け、ボール１つに翻弄される。そのグラウンドに立つことを、そして栄光を掴む夢を多くの若者たちが追いかけていた。
　東の果ての島国が初優勝を遂げたとき、異変が生じた。閃光とともに現れた“シュバルツ・フリューゲル（黒翼）”が真の世界一を賭けて挑戦してきた。もし優勝国がどこのモノとも分からないチームに負けることがあれば「ワールドカップ優勝＝世界の主権を握る」という国際法規が崩壊してしまう。黒衣の女の裏工作によって、国家代表とは違う異様なチームとの異例な試合にもかかわらず委員会は開催を承認した。そしてキックオフ。ディーヴァの超技術によりサイバー化や薬物強化された悪魔の如き選手の前に、チームメイトたちは一人、また一人と倒れていった。だが、不屈の闘志により、試合は同点で前後半90分を終了した。そして延長戦と思われたが、業を煮やしたエージェントは修正作戦を殲滅作戦へと変更した。
　世界中にルール無法の殺人試合の魔風が吹き荒れ、サッカー選手が滅ぼされた。そして、サッカーのない歴史もまた消滅の運命をたどった。東の島国のキャプテンはチームを率いて最後まで戦った・・・。


●能力値修正
なし

●追加特徴
「広視界」（15CP）
「あきらめない」（10CP）（「ガープス・百鬼夜翔」参照）

●追加技能
〈サッカー〉：敏捷力+1（4CP）
〈格闘〉：敏捷力（1CP）
〈軽業〉：敏捷力-2（1CP）
〈投げ〉：敏捷力-2（1CP）
〈ランニング〉：生命力-2（1CP）
〈応急処置〉：知力（1CP）
〈指揮〉：知力-1（1CP）
〈演技〉：知力-1（1CP）

●スーパーパワー
［必殺シュート（実体＝一般）］：威力3、敏捷力（20+8CP） 曲射、ピンポイント攻撃、疲労2点、必要動作（＋10％）
１ターン集中し、必殺の威力を込めてシュートしたボールは敵に大きなダメージを与える。カーブをかけたり、ボール１個分の狭い部分を狙うことも可能。

［眩惑ドリブル（困惑）］：威力3、敏捷力-1（12+4CP） 瞬間、必要動作（＋0％）
ファンタスティックなドリブルの動きをすることで敵を混乱させ、短時間のあいだ精神的朦朧状態にさせる。

●弱点
「名誉重視/スポーツマンシップ」（-10CP）
「紳士の名誉」に近い。フェアプレー精神で正々堂々と戦い、負傷した者がいれば敵味方関係なくいたわる。敵として立ちはだかる者には手抜きなく全力をもって対決する。そして、激しい試合が終わればお互いの技量を認めあって、友情を育む。

「喝采願望」（-15CP）
「誓い/サッカーの素晴らしさを広める」（-5CP）

●愛用品／イン・ザ・マーク
“トモダチ”のサッカーボールを収納している。シュートすることで敵を攻撃することができる。一度シュートすると準備に1ターンかかる（拾いに行くか、跳ね返って戻ってくる）。ゆえに余分に１ＣＧ消費。
通常シュート「叩き：突き」抜き撃ち12　正確1　射程ST/ST*2

●装備
　　Ａ．Ｂ．Ｆ／３ＣＧ
　　イメージ・インデューサー／１ＣＧ
　　ライト・ドラゴン・スーツ／１ＣＧ
　　　ユニフォームの形状をしている。
　　　受動防御２、防護点２、重量は1kgです。

　　所有クロノジェム４点


備考
　2002FIFAワールドカップの興奮から創造したバージョンの一つです。バージョン化するにあたっては、現実を飛躍したサッカーを参考にしています。手っ取り早く雰囲気を掴むなら、映画『少林サッカー』を観ましょう。じっくりとサッカーの楽しさ（と現実離れしたプレー）を噛みしめるなら、漫画『キャプテン翼』を小学生編からワールドユース編まで読むべきです。私自身のサッカー経験は学校の体育程度でしたが、サッカー小僧の弟が持っていた『キャプテン翼』全巻を読んでハマッたものです。
このバージョンの要点は、実は追加特徴にあります。「ガープス・百鬼夜翔」を読んでいて「あきらめない」から真っ先に連想されたのがスポ根の主人公でした。