2007年5月5日（土、祝日）
大阪・森ノ宮で開催された『異界戦記カオスフレア』オンリーコンベンションに参加した。
TRPGはごっこ遊びから昇華した大人の遊びだ、と改めて思った。仮面ライダーやウルトラマンなど、感動した作品の登場人物と同じような状況に立たされて、熱い台詞を語り、行動を宣言する。その掛け合い（自分の台詞も含めて）に心が奮える。こんなに嬉しいことはない。それを再現した極北のシステムの一つが『異界戦記カオスフレア』だろう。
というわけで、5月5日に大阪・森ノ宮で開催された『異界戦記カオスフレア』オンリーコンベンションに参加した。一般参加者が67名、GMやスタッフ含めると90名近く集まり、広い会議室でカオスフレアが合計17卓も立つさまは壮観ですらあった。ゲスト卓の抽選が外れたので、事前にサイトでチェックしていた第一希望の空澄和さんの卓を希望した。４人枠にちょうど４人が集まり、第一希望で確定。シナリオタイトルは「聖戦士、“再”臨」で、トレーラーとハンドアウトによると、日常に埋没したかつての聖戦士が再び戦いに赴く話らしい。個人的には、ジョン・デイカー＝エレコーゼ（by マイケル・ムアコック『永遠の戦士』）を想起したのだが、GMの思惑は違っていたらしい。プレイヤーが確定した時点でPC番号の割り振りを相談して、キャラ作成開始。この卓は60分制限でコンストラクション可能。4人とも慣れているようで、Role&Rollの追加データ等も使った、楽しいキャラが出来上がった。
■仮面ライダーコロナ対Gマンツルギ（2007年5月5日）
PC1：聖戦士、フォーリナー・装着者／グレズ・マシンライフ
日向太陽（旧姓：暁）35歳、男。妻の明日香と娘の旭子と母の正子と、30年ローンの二世代住宅に4人で住んでいる。家では嫁姑の確執に悩み、通勤電車では痴漢に間違われたり、会社で上司に叱られたり冴えない毎日を過ごす。だが、17年前はオリジン世界に降り立って、3人の仲間と共に数々の敵を倒して来た聖戦士だった。グレズコアのベルトをまとって「変身」し、仮面ライダーコロナと名乗って戦っていた。当時の色あせた写真を大事に持っている。
＃一人だけ経験点を追加したにせよ、HP100点超のデータと憤怒の組み合わせ、アクセルモードなどグレズ特技の使い方が巧かった。
PC2：星詠み、オリジン・ファイター／富嶽・ミリティア
ダウゲ・バイツ、18歳、男。乗機はシュルクーフ。半年前まで仮面ライダーコロナと一緒に戦っていた仲間の生き残りの最後の一人（地球とオリジンでは時間の流れが違う）。呪いに侵されており、余命いくばくもない。かつての仲間4人で撮った写真を大切に持っている。
＃星詠みの祝福と剣と盾はどれも有効だった。
PC3：光翼騎士、アムルタート・プレデター／暁帝国・武侠
夏侯無牙（かこう むが）外見14歳、女。暁帝国の仙界で名の知れた武術の守り神。かつて仮面ライダーコロナの仲間だった鳳牙の師匠にあたる。想いを遂げられずに死んだ弟子を不憫に思っており、勇者の資質を見極めようとする。
＃不壊の甲冑で耐えるさま（残りHP2）が凄かった。銀の守護者を取得しなかった代償は、身を挺してのかばう行動。さすが騎士です。
PC4：執行者、コラプサー・宇宙怪獣／富嶽・武士
宙野光（ソラノ・ヒカリ）24歳、男。その正体は、造物主と戦うことを宿命づけられたグレイトマン兄弟の若者グレイトマンツルギである。グレイトの親父に派遣されて宇宙怪獣と戦っていたところ、負傷して富嶽艦隊に落下し、人間の姿となって休息していた。その縁で、普段は富嶽の武士として行動している。光線技は得意でなく、備前三郎国宗に相当する光の太刀を振るって戦う。グレイトマンカブトから仮面ライダーコロナの話を聞いたことがある。
＃最初にPC1が「仮面ライダーやります」と言った時点で事前に考えていた案を破棄して、光の巨人グレイトマンにした。『ウルトラマンメビウス』燃えを思い出して、伝説の勇者を信じて激励する役回り。天然系で信じる姿勢はミライ君がモデル。データは武器購入の一点特化で、あとは執行者は「俺ごとやれ！」さえ取ればいいと。自動取得「大いなる力」は演出＆フレア獲得にとても役立った。ウルトラマン系キャラには執行者の赤い光が似合う。
かつて世界の危機を何度も救った聖戦士と仲間たち。そのうち２人は戦いの中で命を落とし、１人は余命わずかとなっていた。戦いを終えた聖戦士は元の世界へ帰っていた。それから時が過ぎて・・・。オープニングシーンの最初は、日向太陽（PC1）の哀しい日常。プレイヤーの演出が素晴らしく、GMからのフレアがどんどん飛ぶハイテンション。いわく、最初からクライマックスだ。残り３人のオープニングは、復活した機械龍メディウスに襲われるヴィンランド共和国、邪仙・邪謀軍が暴れる暁帝国、宇宙怪獣スバババルタスとの死闘を繰り広げる富嶽艦隊、三者三様に大ピンチ。最後の希望として伝説の聖戦士を再び召喚しようとする・・・。あれ!? 気が付けば富嶽艦隊も仙人もその敵たちもヴィンランド共和国に出現。そして、三つの敵の真ん中に、見知らぬおっさん（PC1）が。宙野光（PC4）は思わず「カブト兄さんから聞いていた話と違う」と口走る。ドタバタと情けなくも攻撃を避ける姿や、邪仙を殴ったパンチの一撃が意外に効いた様子を見て徐々に戦士の資質を信じ始める。ダスクフレアもそれを見て一時撤退し、策を弄する。戦士として役に立たないというPC1と再起させようとする周囲の人たち、病で血を吐くダウゲ・バイツ（PC2）など、回想と友情のシーンが続く。そして、キリン姫がさらわれて異世界への門が開かれようとしたとき、再び仮面ライダーコロナが甦った。
必殺のライダーキックが炸裂したが、敵は最後の力を振り絞って門から蒼き星・地球へと転移した。そのとき、彼方から爆音が聞こえてきた。最後の追撃時に専用バイクまで揃って、仲間と共に地球へ。最後の戦いに挑み、そして、仮面ライダーコロナは勝った。日向太陽は日常に戻っていったけれども、かつての栄光を思い出したことで少しだけ変わったようだ。金色の魔法で聖戦士のコロナはダウゲ（PC2）へ受け継がれ、その作用で病は癒えた。夏侯無牙（PC3）は鳳牙の墓に勇者の戦いを報告した。相変わらず宇宙怪獣と戦っている宙野光（PC4）は富嶽艦隊の仲間たちに言う「仮面ライダーコロナはもういないが、彼のSPIRITSは俺たちの胸に在る。そしてあきらめない限り、グレイトマンは助けに現れる」（こっそり隠れて変身）。地球時間で30年後、すっかり老いた日向太陽が孫と話している。「ヒーローって本当にいるの？」「誰でもヒーローになれるのさ」
30代の聖戦士を演じ切ったPC1のプレイヤーが素晴らしかった。それに引きずられて他の３人も加速していった。GMいわく、最初からクライマックスで３倍疲れた、そうですが。こういうシナリオ状況をセッティングしたGMにも感謝したい。それから、オンリーコンベンションを運営していただいたスタッフの皆様にも感謝。仮面ライダーVS光の巨人VS機動戦士という素敵なシチュエーションを再現できる『異界戦記カオスフレア』を作ったデザイナーにも感謝。TRPGって素晴らしいよ。そしてやはり、再現したいヒーローを僕たちの心に残した偉大なるクリエイターの先人に大感謝。
フレアの光が俺を呼ぶ！