世界観を理解するには、食に注目するのも一つの観点になります。というわけで、小説に登場した飲み物、食べ物を見ていきます。都市部においては、現代とさほど変わらないようです。

飲み物

アベル・スペシャル
原作にこの名称は登場しません、勝手に命名しました。
ミルクティーに砂糖を13個入れたモノ。もはや紅茶とは呼べない、ゲル状の何か。４ディナールしか所持金のないアベルが注文した。
（「フライトナイト」）
ネバーランド島の屋敷でふるまわれた。なお、砂糖13杯はアベルの追加注文である。
（「ネバーランド」）

紅茶・ケイト・レシピ
夜明け前に一仕事終えて休憩していたカテリーナが飲んでいた。テイストして言い当てたレシピはカモミール、レモングラス、蜂蜜、ペパーミント。隠し味はカリンエキスが一滴。ケイトいわく、喉に優しいレシピ。
（「フライトナイト」）
アイアンメイデンIIの艦内でアベルたちに出された。レシピは、ローズピンク、マロウ、レモングラス。砂糖の代わりに蜂蜜を使用。
（『熱砂の天使』）

生命の水（アクア・ウイタエ）
ミネラルウォーターに血液製剤を溶かしたもの。ルビーの色をしている。人によっては、好みで香料などを加える。
アスタローシェはストレートで一気に飲む。外出時には錠剤をピルケースに入れて保持しているようである。
（「フロム・ジ・エンパイア」）
イオンの好みは、阿片は少なめ、砂糖を一つまみ。ラドゥは阿片を溶けきれないほど注いで飲む。
（『熱砂の天使』）

生命の水（アクア・ウイタエ）イシュトヴァーン風
赤ワインに爪ほどの大きさの血液製剤を溶かしたもの。どす黒い緋色をしている。 ハンガリア侯爵ジュラが好む。ときには、香料と阿片を加えることもある。
（『嘆きの星』）

赤ワイン“雄牛の血”
芳醇でコクがあり、糖分も酸度も申し分ない赤ワイン。ジュラ・カダールの経営するワイナリーで醸造された。葡萄の肥料には牛の血が使われていたとか。
（『嘆きの星』）

“女王の涙（ダムアル・エリッサ）”
最高級のカルタゴワイン（サデイサアド）。 冷房の聞いたホテルのバーで、よく冷やしたワインをピエトロ・ボッロミーニが飲んでいた。 地下の遺跡でも誰かが飲んで、空き瓶を放置してあった。
（『熱砂の天使』）

ホットミルク
パルチザンのアジトでアベルにふるまわれた。要望したのか、砂糖がたっぷり入っていた。
（『嘆きの星』）

ミント入りの緑茶（シヤイ・アハダル）
カルタゴの教皇庁大使館で寝室のサイドボードに置かれていた。カテリーナはメディチとの通信中に、テーブルに飲ませてしまった。
（『熱砂の天使』）

レモン水
カルタゴのカフェにて、エステルが飲んでいた。
（『熱砂の天使』）

コーヒー
飛行船トリスタン号のブリッジで、クルーたちが飲んでいた。コネリー船長は、芳しいコーヒーが操船時の楽しみだと言っていた。
（「フライトナイト」）

カフェ・オ・レ
バルセロナの屋外レストランにて。ノエルが飲んでいた。
（「サイレント・ノイズ」）

エスプレッソ
ディートリッヒが好む飲み物らしい。
ローマでは著名なカフェテラスで飲んでいた。有名店ゆえに、少し苦めだが、うまいらしい。
（「オーヴァーカウント」）
“塔”の七階の書斎でも飲んでいた。なお、イザークはコーヒーカップに口をつけていなかった。
（「ノウ・フェイス」）

ビール
ローマのレストランにて。法王宮への出頭30分前にかかわらず、レオンは瓶から直接飲んでいた。この程度では酔わないようである。
（「オーヴァーカウント」）
ケルンの深夜営業の安食堂では、地ビールを飲める。
（「ミッドナイト・ラン」）

栄養剤と蒸留水
生体部品の維持のために、トレスが補給するモノ。摂取頻度は月に一度だけでいい。
（「オーヴァーカウント」）

食べ物

羊肉入りスープ
ハンガリア候ジュラがエステルをもてなした晩餐の一品。
（『嘆きの星』）

ローストビーフ
カルタゴの教皇庁大使館でのパーティー料理の一品。他にも、羊の串焼き、羊肉のクスクス、ハンバーグなどをアベルが食い溜めていた。食い溜め癖はカテリーナ公認らしい。
（『熱砂の天使』）

パエリャ
バルセロナの屋外レストランにて。アベルが食い溜めしていたランチセット五人前の一品。 これだけ食べれば三日から一週間は保つらしい。ノエルのリアクションに、２人の仲が伺える。
（「サイレント・ノイズ」）

ステーキ
ローマのレストランにて。 レオンは、百科事典みたいに巨大なステーキをたいらげていた。 なお、山盛りのサラダは食わずにアベルに押しつけた。
（「オーヴァーカウント」）

エビピラフ
クラブ“INRI”でアベルがつまんでいた。他に、サンドイッチも。
（「フロム・ジ・エンパイア」）

サンドイッチ
豪華飛行船トリスタン号のラウンジで、ジェシカがアベルにサービスしようとした。 飛行船のメニューには、スコッチ、ケーキ、パイなどもある。
（「フライトナイト」）
クラブ“INRI”でアベルがつまんでいた。
（「フロム・ジ・エンパイア」）

ガトーショコラ、マロングラッセ
修道院に収容されたエリスがアベルに奢ってくれるよう頼んだ。財布と相談したアベルは、メロンパンとコッペパンで妥協してくれるよう頼んだが・・・。
（「ウィッチ・ハント」）

ドーナツ
カルタゴのカフェにて。アベルは紅茶にひたして食べていた。
（『熱砂の天使』）

チーズフォンデュ
地下闘技場の貴賓席にて、アムステルダム伯カレルがかき混ぜていた。その後で、面白い食べ方を披露してくれた。
（「ソードダンサー」）

黒パン
ブルノで捕虜になったアベルに与えられた早めの夕食は、雑穀の粥と痛み始めた黒パンの欠片だった。そんなパンを欲しそうにしていた見張りの少年に対して、アベルはキャラメルとチョコレートを与えた。ブルノ近隣の食糧事情は悪いらしい。
（「ノウ・フェイス」）

カボチャパイ
“剣の館”を見張る車内でブラザー・フィリポが三時のおやつに食べていた。本当はウナギパイが所望だったらしい。しかし、特務警官を買い物に行かすことが出来る異端審問官の権限を思い知らされる。
（「レディ・ギルティ」）

オマケ

緑茶・ミリアム風
玉露そのままでは、イギリス人ミリアム・ハンターには苦くて飲めないので、味覚に合うように玉露に砂糖とミルクをたっぷり入れた飲料。一応緑色をしている。藤田五郎は、もてなしの好意を無駄にしないために、一杯を飲みほした。沖田総司にとっては、砂糖三杯がちょうどいいらしい。
（『FIGHTER』）