ここでは、実際に妖魔夜行をプレイする方法などを書いてみます。
『妖魔夜行・妖怪伝奇』などを読めばだいたい分かるのですが、もう7年も前（1994年7月）に出版された本です。入手しにくいですし、2003年（200X年）の妖魔夜行に対応して変わる点もあるでしょう。
なお、事件調査の方法は「妖魔夜行」に限りません。『クトゥルフの呼び声』など他の事件調査系シナリオにも応用可能です。
◆事件の始まり
ネットワークのたまり場である喫茶店やBARに、事件に巻き込まれて困っている依頼人がやって来るというのがオーソドックスな始まりでしょう。あるいはメンバーの表の顔が占い師や神父、教師などで個人的に相談を受けるかもしれません。事件によっては、その地方の妖怪ネットワークのまとめ役（京都なら陽閑寺）から依頼されるかも。たまり場に依頼者が来るのではなく、ＰＣの一人が偶然に知り合って依頼を受けることもあるでしょう。（このパターンには時代劇「必殺」シリーズが参考になります。）
人間との関係性が変化した21世紀では、正体を知る探偵や警察関係者からの協力要請も考えられます。
例えば、京都府警の陰陽師刑事と古代戦士妖怪の会話：
「古代雄介、妖怪が中京区に現れた。現在、特捜本部の刑事が追跡中だ。」
「一条院さん、とにかく奴らを追います。」
「無理はするな。俺もすぐに行く。」
「皆の笑顔を守るために、戦います。見ててください、この俺の変身。」
他には、周囲で何か異変が起こっているのを感じて動き出すということも考えられらます。たいていのＰＣ妖怪は人間に対する態度が「友好」か「善良」なので、人間が怪に襲われていれば黙って見過ごすことはできません。
◆情報収集の方法
・テレビや新聞を見る
まずは、世間一般のニュースを知っておきましょう。どこに妖怪が関係しているか分かりません。原子力潜水艦衝突の事件も、公定歩合の引き下げも、円安も、阪神タイガースの調子が悪いのも、オリンピックでの誤審も全てシャイアーテックス社のせい…、というわけではありませんが★
ワールドカップやプロスポーツの結果も一般常識としては大事ですね。
金銭的余裕のあるネットワークならデジタル放送完全対応の、そうでなくても通常の地上波放送を見られるテレビくらいはたまり場にあるでしょう。いざというときも、電波系妖怪の助けを借りた最後の通信手段として重要です。
・聞き込み
一般的な情報収集です。事件関係者や、目撃者、現場周辺の一般住民など、とにかく何か知っていそうな者に聞きましょう。ほとんどの場合は、ＰＣは警察関係者や新聞記者などではないので、聞き方には十分に注意しましょう。かといって、全然行動しないのは問題です。
聞き込みには交渉系の技能を使います。簡単な内容なら、反応判定でもいいでしょう。
・文献を調べる
事件の背後に伝説や歴史的背景がありそうでしたら、図書館などで文献を調べることも必要でしょう。学生のＰＣがいれば大学の図書館などを利用すればいいでしょう。文献だけでなく、過去の新聞も調べられます。場合によっては、古書店も有効です。東京では武蔵野晴明神社に隣接する書店が、京都では洛北大学の近くにあるナカミチヤ書店が充実しています。
また、WEBページなどで検索するのも一つの手です。20世紀末から増殖したネットの海は広くて多様な情報に満ちていますが、有用な情報を得るには工夫が必要です。
図書館判定には「研究」を、パソコンでの検索には「コンピュータ操作」技能を使います。
・ネットワークのメンバーに相談する
ある程度の情報が集まったら、ネットワークで相談するのがいいかもしれません。特に詳しい者でもいない限り、あんまり期待しない方がいいでしょう。
規模が大きいネットワークや、人間との交流が深いネットワークの場合は、各方面で活躍する人間のコネを頼ることが出来る場合もあります。21世紀では広域妖怪互助組織「バロウズ」の存在も忘れないように。能力は未知数ですが。
・他のネットワークに尋ねてみる
電子メールなどで他のネットワークに連絡してみます。時期尚早であったり、目的が漠然としていては何も収穫はないでしょう。時には、有効な情報が得られることがあります。
忙しい妖怪もいるでしょうから、頻繁に携帯メールを送るのは止めましょう。
・妖術で調べる
探知系の妖術は強力ですが、万能ではありません。余程のことがない限り、一度の術で真相が分かることはないでしょう。使える状況ならば、遠慮せずに使いましょう。
・重要拠点に忍び込む
核心が見えてきたら、重要な場所に忍び込んでの情報収集も必要でしょう。料亭の天井裏とか、大店の庭とか密会の現場で盗み聞きするのもいいでしょう、って何か違うか☆
「忍び」技能や感覚系の妖力が役に立ちます。違法行為であることに注意して下さい。
緊急時の連絡用に携帯電話を準備して行ったほうがいいですが、くれぐれも音は鳴らさないように。
・張り込み、見張り
事件に関係ある場所や、次に狙われそうな人、場所を見張ります。時と場所をうまく選ばないと空振りに終わることが多いでしょうが、終盤では有効な方法です。
手分けして捜査する際に連絡手段は必須です。赤貧では駄目でしょうが、財産レベルが貧乏以上であれば携帯電話を持つことが出来ます。
・囮捜査
最期の手段です。運が良ければ（悪ければ）敵対する妖怪と遭遇できます。強襲、奇襲されても文句は言えません。
◆事件の解決方法
事件の真相が判明すれば、最後は解決方法です。状況によっては説得の可能性があるかもしれませんし、戦いになるかもしれません。けれど、忘れないでください。
何のために戦っているのかを。
他の理由があったとしても、ほんの少しでもいいから「世界が平和になりますように」という想いを受けていることを考えてください。
常に通用するとは限りませんが、これを参考にプレイしてみてはどうでしょうか。