多次元宇宙（マルチユニバース）
　「ガープス・ドラゴンマーク」の舞台となるのは、さまざまな可能性が表れた多次元宇宙世界。いわゆる、もう一つの地球とか、パラレルワールド（平行世界）とかで、SFではメジャーな設定である。私は、まず「エルリック・サーガ」をはじめとするエターナル・チャンピオン・シリーズを思いだす。霧深い“この世の彼方の海”を“船長”の舟に乗って渡る場面が印象だった。TRPGでも「TORG」なんて傑作RPGもあった。いろんな世界を比較的自由に行き来できて、異文化との接触がテーマだった。「ガープス・ドラゴンマーク」では異世界への行き来が出来るのは、基本的にドラゴンマークとディーヴァだけである。
　そして、この世界は大きく２タイプに分けられる。
　一つは、別な歴史を辿った地球。関ヶ原の合戦で西軍が勝利したり、徳川幕府が300年で大政を奉還しなかったり、またアメリカ南北戦争で北軍が勝利しなかったり、第二次世界大戦時に核兵器が使用されなかったりという架空歴史の世界、歴史の分岐点で別な方向に流れた世界。こういった世界では歴史IFモノの物語を楽しむことができる。
　もう一つは、我々の知る地球とはかなり異なる世界。猫から進化した知的種族の世界や、恐竜人の世界、あるいは科学技術でなく魔法文明や超能力文明が栄えている世界など。世界の危機を前にした冒険が楽しめる。

　だから、たとえば伝説のムー大陸を舞台にした物語や、犬族から進化した文明世界の冒険も出来る。 そして、もしかしたら七つの月が輝く大地や、妖怪が跳梁跋扈する２０世紀末、魔法も実在する剣の世界などもディーヴァの標的になるかもしれない。その時はまた一風変わった物語が編まれることだろう。