５．『ボールパーク！』世界の有名人
プロ野球をやるにせよ、アマチュア野球をやるにせよ、野球TRPGをやるときに過去の名選手などの名前が挙がることもあるでしょう。というわけで、有名人物を何人か紹介します（この項では、実在人物のみに限定します。ただし、フィクション作品での活躍も付記します）。
沢村栄治
戦前に活躍した大投手。三重県出身。京都商業の投手として全国大会に出場。その後、プロ野球創設期から活躍した。徴兵されて戦死したのが惜しまれ、メジャー選抜との親善試合での好投などが伝説化されている。プロ野球で活躍した投手に贈られる「沢村賞」の由来になった。『アストロ球団』の主人公たちは、沢村栄治の魂を受け継いでいる。彼らを導く監督は、戦争時にフィリピンで沢村栄治から野球を教わったそうだ。
王貞治
世界のホームラン王。球場の大きさ、投手の能力など、さまざまな相違点があるが、それを差し引いてもメジャーリーガー以上のホームランを量産した通算868本の記録は凄い。そして、2006年3月には監督として王ジャパンを率いて、WBCに優勝し、世界一となった。漫画『逆境ナイン』では、一人のファンに七光りを与えて活躍させた。
金田正一
偉大なる400勝投手。カネヤンの愛称で親しまれる。ロッテの監督としてアストロ球団と対戦し、大人の策略で超人たちを苦しめた。電ライナーのオーナーとの関係は不明（石丸謙二郎が演じている）。
清原和博
人呼んで、番長。プロ野球選手としては、西武ライオンズにドラフト1位で入団し、巨人、オリックスと移籍し活躍。やたら死球が多い。最近は怪我に苦しんでいるシーズンが多く、復帰が望まれる。個人的には1983年から1985年にかけて甲子園で大暴れしたPL学園の主砲という印象が強く残っている。
桑田真澄
言わば、パイレーツ・オブ・サムライ。日本のプロ野球では、巨人入団時のドラフトの謀略でダーティーなイメージがつきまとっていた。現実は、努力家の凄い投手だと思う。パイレーツを退団した後の去就が気になる。高校時代は清原とともにPL学園のKKコンビと呼ばれて大活躍し、甲子園優勝に貢献した。
新庄剛志
強運のお祭り男。1972年1月生まれだから、1971年生まれの筆者の同級生に相当する。プロ入り3年目の1992年に活躍し、低迷していた阪神タイガースを準優勝させた（当時のスポーツ新聞は、本当に“準”優勝と書いていた）。FA権を取得すると、金銭にこだわらずにメジャーに挑戦し、日本へ帰って来てからは、北海道に移転した日本ハムファイターズを盛り上げた。敬遠球サヨナラヒットやオールスター戦でのホームスチールなど、エピソードに欠かない。2006年日本シリーズ優勝とともに引退した引き際は見事である。
長嶋一茂
野球俳優。長嶋茂雄の息子として期待されたけれども、野球選手ではパッとした活躍もなく引退した。父親が偉大すぎると、息子は大成できないということか。野球を引退した後、俳優になった。『ミスター・ルーキー』で主役を演じたり、『アストロ球団』で沢村栄治を演じたりしている。
野村克也
南海ホークスの選手兼監督から始まって、いろんなチームで監督を務めた知将。打者としての実力も超一流。指導者としては、実力ありながら発揮し切れない選手を使うのがうまく、一時期は野村再生工場の異名も持った。ただ、阪神タイガースの再生だけは完遂できなかった。アニメ『侍ジャイアンツ』では1973年の日本シリーズで主人公と対戦している。オリジナルのライバルが多いなか、実在選手として主人公に立ちはだかるあたり、実力の凄さを物語っている。
吉田義男
人呼んで、牛若丸。現役時代は華麗なる守備でファンを魅了した。阪神タイガースの監督に就任した1985年に日本一に導き、その功績で背番号「23」が永久欠番になった。今でも阪神タイガースファンの中には、1985年が最強のチームだったと言う人もいる。点を取られたら、それ以上取り返すという、打者中心の激しい野球で快進撃を続けた。プロ野球を離れてからは、フランスへ野球指導に行くなど、国際交流に貢献している。
ランディ・バース
最強の助っ人。伝説の三冠王。1985年の阪神タイガース優勝時の中軸打者の一人だった。バース、掛布、岡田のバックスクリーン３連発は伝説に残る。大人の事情で退団。数年後、サントリーモルツのCMで勇姿を見せたときはファンが感激した。さらに2002年になって、『ミスター・ルーキー』に出演した際は、ただただ驚いた。映画で打ったホームランはCGでなく現実である。