妖怪ネットワーク＜ヤナギ＞について

　ここではネツトワークとしての＜ヤナギ＞、そして喫茶店としての「ヤナギ」について説明します。
　喫茶「ヤナギ」は、東大路を百万遍から北に上がり、1本目の交差点、居酒屋があるところを東に曲がり、安井病院の裏口を北に見ながら通り過ぎてしばらく進むとあります。この店には強力な目隠しの術がかかっており、人間にはここを見つけることはできません。「ヤナギ」の存在を知っている人間でも、用がなければ見つけられないのです（もっとも妖怪は話が別で、いつでも自由に出入りできます）。営業時間は午前７時から午後９時までで、モーニング・サービスは開店から午前11時までです。「ヤナギ」を喫茶店として利用するつもりなら、営業時問内に来るようにしてください。しかし妖径がらみの事件が起こった場合は話が別で、そのようなことに関しては「ヤナギ」は24時間営業です。
　店内は禁煙です。これは、煙革を苦手とする妖径のためでもありますが、そのほかに「煙革の匂いは科理をまずくする」という店主の考えのためです（実際、この店の料理は煙章の匂いなどでまずくしてしまうのはもったいないほど美味なのです）。煙革を吸いたくなったら、外に出てドアの近くの灰皿のある場所で吸わなくてはなりません。これを守らず店内で煙革を吸った者は、店主に外へ放り出されます（ちなみに比喩ではありません）。事件解決のための拠点というだけではなく、妖怪たちの憩いの場ともなる場所、それが「ヤナギ」なのです。

　次に、喫茶「ヤナギ」で働く、そしてネットワークを支え、サポートする従業員を紹介をします。店主は、年の頃25,6歳の身長188cmという長身とグラマラスな体を持つ美女で北神小夜子さんといいます。彼女はこのネットワークの代表でもあります。その正体は、中国生まれの夜叉です。他に従業員は2人います。1人は、ショートヘアの眼鏡をかけた小柄な女性、首藤由香さんです。正体は、江戸時代から京都に住んでいるろくろ首です。もうl人の従業員は森川輝水さんです。正体は人魚です。京都の山奥でl人寂しく暮らしていたところに老婦人がたまたま訪れ、彼女と一緒に暮らすことにして人間社会に出てきました。
　＜ヤナギ＞を訪れたときには、この魅力的な女性たちが笑顔で迎えてくれることでしょう一一留守でなければの話ですが。