洛北大学オカルト研究会のことを憶えている者は不幸である。過去を断ち切れないでいるから。 けれど、そこに集まった“想い”を大切にしたいという気持ちに偽りはなく、それゆえ残された資料から在りし日のオカルト研究会のことを語るとしよう。
洛北大学オカルト研究会とは
洛北大学オカルト研究会は京都市左京区にある国立大学、洛北大学の公認文化系サークルです。1994年から2000年まで五年半の間、サークル活動の一環として会員の中に混じった妖怪たちが怪奇事件の調査・解決を行っていました。しかし、1999年から2000年にかけて難事件・大事件が頻発し、その結果、妖怪ネットワークとしての機能を喪失し休眠状態になりました。ある者は戦死し、ある者は重傷を負って戦線を離れ、ある者は大学を卒業して別の土地に移りました。生き残った者も、活動状態を維持している他のネットワークへと異動しました。オカルト研究会が最後に関わった事件については詳細が謎に包まれています。天より降臨した恐怖の大王“名状しがたきもの”との戦い、巨大霊亀に協力した巨怪鳥大群の迎撃作戦、神々との戦い・別名「天使編」、邪仙ネットワーク＜黒鬼党＞との封神闘争、御所に眠る秘密をめぐっての鬼族との抗争、逆ピラミッドを信奉する一団による殺戮。諸説あれどその真相は定かではありません。ただ、活動休止という結果だけは事実のようです。
洛北大学オカルト研究会 ヤナギ 虹
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京都市左京区、今出川通と東大路の交差点“百万遍”の南東に洛北大学の中央キャンパスが位置します。東大路を挟んだ西側には、オカルト研究会をはじめ文化系サークルのBOX棟がありました。その北、コンビニの横の“あるはずのない小道”の先に喫茶店＜虹＞があります。また、大学の北側、知恩寺のさらに北に無用の人には見えない喫茶店＜ヤナギ＞が存在しています。複数のネットワークが左京区の洛北大学を中心とした地域に集まっているため、密接に交流して協力していました。また、地図には載っていませんが＜草津庵＞というおそば屋さんを拠点とするネットワークとも交流がありました。 |