人生クリティカルあればファンブルもある。
10年以上もTRPGを続けていれば、最高に旨くいったと思える素晴らしいセッションにめぐりあうこともありました。その逆に、マスタリングに失敗したなあ、とか悲惨なセッションに参加してしまったと思うこともありました。「最高」のセッションにめぐりあうのは中々難しいと思います。ゲームマスター、シナリオ、プレイヤーのメンバー構成、三拍子そろわないとうまく廻らないでしょう。でも、失敗したセッションというのは、いくつかの点に気を付けていれば前もって予防することができたはずです。それゆえ「プレイヤーが問題ゲームマスターを斬る！」ことになった事例を、自分の失敗談も混ぜて紹介したいと思います。これからゲームマスターをやろうという人や、ゲームマスター経験者に参考にして頂ければ幸いです。

注意！
この記事は実在の事件、人物、団体等をモデルにしている場合もありますが、フィクションです。
この記事はTRPG中級者向けです。失敗事例をデフォルメ・強調して書いていますので、必要以上に恐怖を感じる場合があります。実際、ここに挙げた事例はごく稀にしか会うことはありませんし、対策をすれば避けることができます。嫌な目に会わないために予防して頂ければと思います。

事例集

■session_1　「突入、阻止限界点」 （「頷きマスターと千尋の谷」改題）

■session_2　「シャーマン脱走」

■session_3　「西陣、血に染めて」

■session_4　「時間よ、とまれ」

■session_5　「マニア包囲網を破れ」

■session_6　「死闘！ホワイト・ヘクス」

■session_7　「自動進行の脅威」

登場人物
各事例に登場する人物の一部を簡単に紹介します。

教授
R大学総合人間学部ゲーム物理学専攻。元々は確率論の研究者であった。論理学、認知心理学、社会学、博物学、神話学などの分野に見識を持つ。「自由と無秩序は異なる」を持論とし、世界観の中で自由に行動してもらうことを好む。

鳥狗星夜（トリク・スタ）
粋なゲーマーを目指して、幅広くゲームに参加している。それゆえに、時おりジョーカーを引いてしまう“地雷踏み”でもある。好きな種族はミュルーン（ルナル世界）。スタイルはカブキ、トーキー。

泥問海原（デーモン・ウミハラ）
超辛口の批評家。デーモンだから仕方がないのだが。彼のサークルでは、彼に斬られるようになって初めて一人前と言える、という噂もある。好きな種族はデーモン。

幻灯映（ゲントウ・エイ）
叙事詩のような大河ストーリーを好む。好きなシステムは『VAMPIRE』と『深淵』だとか。

余談
「七転抜刀」とは「七転八倒」の誤植ではありません。プレイヤーにバッサリ斬られて倒れるのではなく、転んでもただでは起きず何かを得て再び立ち上がりたいとの想いを込めてタイトルに借りました。
枯葉忍法「秘剣・七転抜刀」とは、地面を素早く転がって相手の隙をつき、そのまま懐に飛び込んで切り倒す剣技である。
『夜桜忍法帖』（1993、遊演体）より

かつて『粋なゲーマー養成講座』（1996、朱鷺田祐介、アスペクト）という書籍がありました。TRPG経験者向けに書かれ、雑誌『ログアウト』に1994年3月から1995年2月まで連載された後に1995年末に単行本にまとめられました。 2000年に復刊されたコミック『RPGなんてこわくない！』（山本弘、こいでたく、ゲーム・フィールド）とともに、RPGファンにとって（機会があれば）ぜひ読んで欲しい入門書・解説書です。