第5話「ねらわれた学園」

＄オープニング
■護人会、活動開始する
　前回の事件から2年後、PCたち４人(有栖川紫織を除く)は全員日本に残っていた。エヴァは、CIAの上司からの指令で日本に留まり、御子柴の活動の支援と監視を行うこととなった。

　ウィリアムは、イギリスに戻るという祖母アリシアを見送り、御子柴たちと連絡を取り合いながら東京の高校に通い続けていた。

　ラウは行くあてもないため、御子柴の家に居候していた。そして２年が経った頃、ラウは街中でFHの藤堂と出会う。藤堂は自分たちの所に戻ってくるよう誘うが、ラウは首を縦に振ろうとはしない。藤堂は前回フェブラリーが読み取ったラウの記憶の入ったフロッピーディスクを渡し、自分たちの拠点の場所をラウに告げて、立ち去った。

　御子柴則正は叔父の轟木源十郎と共に護人会として協力者を集めるなどの活動をしていた。そんな中、祖父御子柴文彦の残した文献から、村雨の剣と対になるという「太陽の石」なるものが存在することを知った。それは梁山高校という学校にあると分かり、御子柴則正は調べることを決意した。

■新しき希望
　有栖川紫織は、いつもの様に教室の片隅で一人読書をしていた。そこにクラスメートの赤城光子が話しかけてきた。明るい性格の赤城光子は紫織とも仲良くなろうとしているようだった。さらに、生徒会の一員である赤城光子は紫織に特別な才能があると言い、生徒会に誘ってきた。赤城との話を終え、有栖川紫織が家に帰るとヨハン・イザークという人物から贈り物が届いていた。封を開けると、中身は謎の腕輪（Rコントローラー）だった。不思議に思って母親に尋ねてみると、母親は驚きながらもヨハン・イザークというのが紫織の祖父の名前であることを明かした。ヨハンがナチスの思想に傾倒していたため、それを嫌った紫織の父アドルフ・イザークはずっと連絡を絶っていたのだという。

■特命転校生
　一方、他の４人は轟木に呼び出されていた。話を聞くと、梁山高校で竜崎京士郎という人物がオーヴァードを集めているらしいので調べて欲しいとのことだった。さらに、その高校の近くでヨハン・イザークが目撃されているという情報もあった。「太陽の石」のこともあるので、４人は梁山高校に潜入して調査を行うことにした。エヴァは留学生、ウィリアムは転校生、御子柴は教育実習生、ラウは用務員として潜入することとなった。

■若き革命の兆し（マスターシーン）
…どことも知れない部屋の中、３人の人物がいた。１人は黒ローブを着た魔術師、１人は学生服を着た少年、そして最後はギリシャ彫刻のような男。そんな中、学生服の少年は魔術師に向かって口を開いた。「あなたの言う通り、梁山連合の決起の準備は整いつつあります」と。

＄ミドルフェイズ
■タイムスクープ少女との再会
　ウィリアムの転校したクラスには、生徒会副会長の霧谷雄吾がいた。さらに、そのクラスには前回姿を消した古橋七海の姿もあった。２年前と全く変わらない様子の七海は、どうやら霧谷雄吾のことを取材している様子だったが、相変わらず詳しいことは「禁則事項」などと言って話さなかった。そんな七海から竜崎京士郎について話を聞くと、竜崎は文武両道、人望もある生徒会長であるが、昔いじめられていたという噂があることが分かった。

■人造超人の苦悩
　その頃、御子柴則正とエヴァは紫織のクラスにいた。御子柴は、紫織と赤城光子がオーヴァードであることを感じ取った。それを聞いたエヴァは赤城光子と紫織に話しかけ、後で生徒会に話を聞きに行くことになった。

　ラウは、校内でいきなりヨハン・イザークと出くわした。目的を尋ねるラウに対しヨハンは調査に来ただけ話し、去って行った。その後ラウは決心して、自分の記憶の入ったフロッピーディスクを見た。そして、自分がフラウに作られたという事実を知り、自分は何のために生まれたのかと衝撃を受けるのだった。

■超人には責任がある
　放課後、御子柴とエヴァは赤城光子と一緒に生徒会室に来ていた。そこにウィリアムも霧谷雄吾とともにやって来た。そしてPCたちは生徒会長、竜崎京士郎と会った。彼は生徒会の目的について「ノブレス・オブリージュ」という言葉を使い、力を持つ者が世界を正しく導かなければならないのだと熱く語った。そして、PCたちに対しても生徒会はいつでも扉を開いていると言うのであった。

　その後、ウィリアムとラウが情報収集を行い、紫織がヨハン・イザークの孫であることが分かった。また、「太陽の石」の在り処については、学校の北側にある古い石垣の隠し通路が怪しいと分かった。

■魔法使いの師弟
　その夜、紫織は夢を見た。夢の中で紫織は黒ローブを着た魔術師、ヨハン・イザークと出会った。ヨハンは紫織にも魔法を使う力があると言い、魔法の使い方を教えるのだった。

　翌日、御子柴とラウは石垣を調べに行った。隠し通路を発見して中に入り、「太陽の石」を手に入れた。しかし、引き返そうとする彼らの前にヨハン・イザークが現れる。御子柴とラウは身構えたが、２対１であることもありヨハンは引き下がり、自分は王となるべき人物（紫織）を導くために来たのだと話す。さらに、「バハムート」という人物の名前も口にして去って行った。

■立て、若人よ
　梁山高校で全校集会が行われた。生徒会長が熱狂的に語る。「諸君、梁山高校の生徒諸君。現在の日本をどう考える。バブル経済の崩壊、政治の混乱。外国に目を向ければ湾岸戦争に各国のテロ、民族紛争。このような時代に、日本の政治家は何をしている。そうだ、大人たちは責任を取らない。もはや大人に任せては置けない。われわれ若人が立ち上がり、世界を変革しなければならない。僕たちには能力がある。天が与えてくれた能力（エフェクト）だ。既に同志が集まって来ている。我々も志を一つにして、この国の、世界の未来のために行動しよう」と。竜崎がEロイスを使い、その力によって全校生徒が熱狂に飲み込まれていく。そんな中、オーヴァードであるPCたちだけはその影響を受けていなかった。

■若さ故の過ち
　事ここに至り、エヴァとウィリアムは紫織にも能力のことを話し、全員で集まって話し合うことになった。紫織は驚きながらも「竜崎が力を使って生徒たちを操っているのなら許せない」と言い、竜崎たちを止めるため全員で生徒会室に乗り込むことになった。ちなみに、前回と同様にラウはイーグルサムの着ぐるみを調達して着ていた。

　PCたちは生徒会室で竜崎たちと対峙する。竜崎はPCたちの恐れたとおり武力蜂起をもくろんでいると語る。紫織を始めPCたちは、竜崎の主張は理解できるが力で無理やり押さえつけるようなやり方は良くないと言うが、竜崎は受け入れない。生徒会の他のメンバー、霧谷雄吾、赤城光子、緋山陽太も竜崎に従う姿勢を見せた。

　そこに、ヨハン・イザークが現れる。ヨハンが「バハムート」と呼んでいたのは竜崎のことであり、武装蜂起を促したのはヨハンであった。ヨハンは紫織に「お前は王になるべき人物だ、共に来い」と言うが、紫織は断った。そして、もはや直接戦って決着をつけようと彼らは校庭に出るのだった。

＄クライマックス
■実力行使へと
　戦う前に、生徒会の４人は自分たちのコードネームを名乗る。「バハムート」竜崎京士郎、「リヴァイアサン」霧谷雄吾、「カーバンクル」赤城光子、「フェニックス」緋山陽太。その時突然ギリシャ彫刻のような男、テクノイオンが現れた。彼は紫織の父アドルフ・イザークを小脇に抱え、ヨハンに向かって「自分の仕事は果たした」と口にした。そして、ヨハンたちに支援をした後、かつて手に入れた２つの指輪、ソロモンの指輪とニーベルングの指輪の力で時空の裂け目を作って去った。

　そして戦いが始まった。気の進まない様子であった紫織も、容赦なく攻撃してくる竜崎を止めるため必死に戦った。戦いの中、竜崎が倒れるとまだ立っていた霧谷と赤城もPCたちの説得を受けて戦意を失った。最後まで戦い抜いたヨハンもついには倒れ、彼はブラックホールを作り出し自ら命を絶ったのであった。

＄エンディング
■世界の修復力
　勝利し、無事全員生還したPCたちは、倒れた竜崎の体が少しずつ透明になり消えていくのを目にした。竜崎は最期に、自分が異世界から来た人間であることを明かした。彼がいた世界では能力者が虐げられており、苦しんでいたところをテクノイオンに助けられて、この世界にやって来たのだと言う。PCたちは異世界までも股に掛けるテクノイオンの持つ指輪の力に驚きながらも、消えていく竜崎の姿をじっと見ていた。

　残された生徒会の面々の内、緋山陽太はもっと強くならなければと１人で去って行った。後に噂で聞いたところ、FHに参加したらしい。霧谷雄吾と赤城光子、そして有栖川紫織は護人会に入ることとなった。
　ラウも護人会に入り、藤堂に決別の意思を告げる。…PCたちが藤堂のセルを壊滅させることになるのはもうしばらく先のことである。
　紫織はある程度事情を知っていた両親にも自分の力のことを話した。
　エヴァは上司に今回の件を報告し、テクノイオンの指輪の力に警戒を強めた。
　ウィリアムは、霧谷雄吾と言葉を交わした。霧谷雄吾は竜崎のことを忘れないために「リヴァイアサン」というコードネームを名乗り続けると語った。

　その後、PCたちはまた轟木源十郎に呼び出される。行ってみると、そこには生物学者アルフレッド・J・コードウェルの姿もあった。そして彼は告げる。オーヴァードの世界的なネットワークを結成すると。その名は「UGN(ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワーク)」、護人会はそのままUGN日本支部として活動することになった。その陰で、UGN結成を見届けた古橋七海はまた元の時代へと帰って行くのであった。

【トレーラー】
昨日と同じ今日、今日と同じ明日。世界は繰り返しときを刻み、変わらないように見えた。だが、世界はいつの間にか変貌していた、第３版へと。魔獣の絆、妖魔夜行、真・女神転生、夜桜忍法帖、ヴァンパイア・ザ・マスカレード、番長学園、輪廻戦記ゼノスケープ、ナイトメアハンター、デモンパラサイト、トリニティXヴィーナス、ナイトウィザード、アルシャードガイア。 それに、TORG。これまでいくつの現代異能モノRPGが現れて来たのだろう。 そして公式サポートが継続しているのは？
禁断の実験の果て“反逆の聖人”は何を思うのか。
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