【予告篇】
約20年前、世界征服を企む悪の秘密結社"THE NEXT"があった。秘密結社"THE NEXT"を率いるのは、いずれも幹部級の実力を持った改造人間「九頭琉魔将」の９人（注：本編にはたぶん登場しません）。触るもの皆傷つける剣魔人ツルギルゲ、硬殻に篭り絶対の防御力を誇る貝怪人ベレムナイト、銃を撃てない軍隊から転職した実直な軍人ガイダ三佐、南極で怪生物の遺伝子を取り込んだ超頭脳ドクトル・シマ、乙女の顔で騙す女郎蜘蛛ビルゴスパイダー、ロックの魂を叫ぶメタルアンセム、原子力の破壊力を持つアトミックベアー、改造手術の第一人者プロフェッサーZ、情報部を束ねる妖艶な美女ライブレディー。
　秘密結社"THE NEXT"は裏切り改造人間らの活躍により壊滅した。だが、その代償も大きかった。東京日蝕作戦や大友事変、富士山大噴火計画などの野望を阻止するため、覚醒者たちは総力を結集し、最強の覚醒者Eが命を賭して秘技を使った。日本は魔の手から救われた。
　そして時代が平成へと変わり、約20年が過ぎた。天災や人災が契機となって封印が解け、忘れ去られていた者たちが甦る。それは悪魔か神か。
　『デモンパラサイト』キャンペーンに、御期待ください。

登場人物
プレイヤーキャラクター紹介
PC1：藤間宏文、17歳（37歳）、男、元高校生、クレイモア／ファランクス
　幼い頃に両親を亡くし、比較的裕福な叔母の家で育てられた。そのため、少し気弱で友達も少なかった。京都の洛星高校に進学し、洛北大学を目指して勉強していた。高校二年のときに秘密結社"THE NEXT"に誘拐され、魔王子として改造された。その後、秘密結社"THE NEXT"が壊滅して、秘密基地で冷凍睡眠していた。何かのきっかけで20年ぶりに目覚めることになった。
　能力は火炎系肉弾攻撃を得意とするクレイモア、その火炎剣は敵を殲滅する。ファランクスは不意討ちと移動攻撃に長けた能力。
＃魔王子と冷凍睡眠は、GMより与えた設定です。プレイヤーはルーキーのmouserさん。初心者ながら優しさと決断力を備えたPC1を好演しました。2年後の2010年時点では、サークルを代表する善人プレイヤー。

PC2：鬼塚悟郎、36歳、男、民間警備会社ヴァーミンイーター所属、アルバレスト／アルバレスト
　ボクシングのタイトルホルダーである両親に英才教育を受け、ボクシングの才能を開花させた。特殊な家庭事情から中学時代にいじめを受け、誤って一人殺してしまった。正当防衛が認められたが、世間からは腫れ物を扱うような態度をとられた。結局、中学卒業後に新宿一帯を縄張りとする武闘派ヤクザ大神会に入った。対立する水野組の組長を殺害し服役した。しかし出所すると、大神会は壊滅していた。水野組の報復があったのだった。命を捨てる覚悟で水野組の組長水野次郎を狙うが、悪魔憑きビシャスの力の前に返り討ちにあった。死の際にいたところ、ヴァーミンイーターの桂勇次に助けられた。現在はヴァーミンイーター京都支部に所属している。
　能力は、射撃戦闘に特化したアルバレスト（メイン、サブの両方とも）。芳香をロックオンした精密射撃は敵を逃がさない。
＃プレイヤーは馳星周の暗黒小説が好きな新人とかげさん。彼が提案した新宿ヤクザに関わる設定を大いに活用させて頂きました。

PC3：“ロイヤルガード”橘文雄、38歳、男、冒険者、ヴァンブレイス／ブリガンダイン
　洛北大学文学部の橘龍太郎教授の子供。父親は早くから秘密結社"THE NEXT"の脅威に気付き警鐘を鳴らすも、秘密結社"THE NEXT"に暗殺されてしまった。文雄も重傷を負い、洛北大学に属する秦公明教授の仙術による改造手術で一命を取り留めた。復讐のため戦いに投じ、昭和63年の最終決戦で機能の大半を失った。その後は秘密結社"THE NEXT"の動向を探るため世界中を巡り、その痕跡をつぶしていた。半年前に日本に帰国し、父親の友人だった秦公明教授の口添えで客員教授となっている。
　能力は、防御や治癒の支援に長けたヴァンブレイス、必殺技「復讐の剣」は攻撃を跳ね返す呪詛返し。ブリガンダインの氷系防御を得て、さらに防御能力に磨きがかかった。
＃プレイヤーは2008年度会長の赤へるさん。思考能力が高く計算高いが、その反面、長考になることも。

PC4：ナムリ、10歳、オス、白蛇、ショーテル／クロミカズラ
　文殊菩薩の化身の化身と自称している（実は地球への亡命者モンジュの息子の転生の転生だった）。前世はチベット仏教のラマだったが、欲望に惑わされて秘密結社"THE NEXT"に参加した。退治され、悪業がたたって畜生に転生した。前世の悪業を悔い、人々を救うために活動しようと志した。秘密結社"THE NEXT"のチベット支部跡の廃寺院に居たところ、橘文雄に出会い、同行して日本に来た。
　能力は、幻覚攻撃を得意とするショーテル、あらゆる敵を翻弄する。クロミカズラで魔眼の力も手に入れた。
＃プレイヤーはalcorさん。年長プレイヤーらしく行き詰まった局面を妙手で打破して行く行動力に、GMも他プレイヤーも助けられました。

PC5：“白き翼”柳原真理、27歳、女、洛北大学の研究者、モリオン／イツノオハバリ
7歳の頃に秘密結社"THE NEXT"にさらわれた。研究機関で実験中に覚醒者たちが研究所を解放した。そのときに、覚醒者の一人（ウイング星人エリカ）から能力を譲り受けた。その頃の記憶は忘れてしまっていたが、17歳の頃から少しずつ思い出し、共生生物を研究するために研究者になった。優秀な研究者の両親と、弟の誠がいる。
　能力は、治癒を得意とするモリオン。その進化系統でも支援や攻撃を選ばず、治癒に特化して、文字通りパーティーの生命線となった。イツノオハバリを得て、自身の防御力を強化した。
＃プレイヤーはすたあれぃでぃさん。第二部に入ってから、SFファンの本領を発揮してくれました。

NPC紹介
月影計画の王子
　秘密結社"THE NEXT"は大阪万博（1970年）に出展された「月の石」を入手して、その力を持つ王子を造ろうとした。だが、覚醒者の妨害により争奪戦となり、トラブルによって月の石は六つに分かれ、見物人の６人の母親の胎内に取り込まれた。その子供たちを探し出して改造し、魔王子とした。

“白鳥の王子”アリョーシャ・カラマーゾフ
　ソ連出身。絶対零度の冷気の使い手。その凍気は炎さえ凍らせる。第２話で藤間に敗れた後、賢者の石によって蘇生された。第二部では仲間となって宇宙探検に同行する。

“実験体”水野次郎
　プロフェッサーが藤間の試作型として改造した。水野組の組長となって新宿の裏社会を支配していた。覚醒者になる前の鬼塚を追いつめたこともある。第３話でPCたちに敗れた。

グレッグ・ハートマン、アメリカ合衆国上院議員
　2008年時点では37歳の若き大統領候補だった。ジークフリードに敗れて月の石を奪われた後、賢者の石で蘇生した。2008年の大統領選に勝利した。2012年の宇宙人襲来時にホワイトハウスを破壊されて行方不明になるも生還し、地球連邦の初代議長に就任した。

“冒険王子”シンドバッド、妖霊使い。
　ジークフリードに敗れた後、賢者の石で蘇生して仲間になった。

“白馬の王子”ジークフリード
　本名はライナー・ハインリッヒ。ドイツ出身。妻のヒルダと共に、ラインゴルト社でボードゲームを作っている。ゲームによる世界平和を真剣に考えている。宇宙探検の際には、旅の友にと多くの名作ボードゲームを差し入れした。地球艦隊設立にあたり、その戦略的頭脳を生かして参謀に就任した。

裁定者ラーフ
　第一部ではチベットの高僧で、月影の王子たちの戦いを審判する役割。だがしかし、実のところは約三千年前にドラッケン星の政争に敗れて、王族のモンジュと共に地球に亡命してきた。モンジュの息子ナムリの転生を見守り、来るべきときを待っていた。長寿の秘密は、年に一度しか心臓が鼓動しない秘術だとか、冬眠だとか。

“プロフェッサーZ”大久保英世
　初老の紳士。秘密結社"THE NEXT"に所属する研究者。スペイン訛りの日本語を話す。藤間宏文と水野次郎を改造した。ヤクザ水野組の参謀として活動していたが、藤間宏文が勝つことを望み、ナムリの依頼によって決闘をプロデュースした。その後、間隙の時代に橘文雄の前に現れもしたが、その目的や正体は不明である。

カラマーゾフ四兄弟
　秘密結社"THE NEXT"の残党。怪僧ラスプーチン（と名乗る研究者）によって改造された。ソ連崩壊時に逃亡し、各地で苦渋を嘗めながら再起の機会を伺っていた。長女ナスターシャは優秀な指揮官。長男ドミートリーはマンモス怪人。次男イワンは、アトミックベアー。三男アリョーシャは、白鳥の王子。第２話で全員倒されたが、ナスターシャとアリョーシャは蘇生して地球防衛のために活躍した。

水野組
　一時は鬼塚悟郎に組長を殺されて落ち目になったが、ヴィシャスとなった水野次郎が帰還してから強化したヤクザ。新宿一帯の裏社会を支配している。構成員の1,2割は悪魔憑き（ヴィシャス）である。 　実力で成り上がったため古参の構成員から疎まれる水野組四天王がいる。四天王は、水野次郎に助けられてから忠義を尽くす男“猛き牙”リキ、大神会を裏切ったサディスト“凶刃”大神礼治、“怪盗紳士”オーギュスト・ベルナール、“血濡れの翼”ジェシカの四人である。

ジェシカ（山崎美羽）
　過去の記憶もなく、物心ついたときには翼怪人としてプロフェッサーZに従っていた。外見はハイティーンの少女。水野組四天王の一員としてPCたちと戦って敗北した後、一人だけ命を助けられた。それに感激し、藤間宏文の押し掛け恋人を狙っていたが、坂本千絵に敗れてヒロインの座をあきらめる。ヴァーミンイーター京都支部長の養女となり、山崎美羽と改名。第二部になって、ウイング星人であることが判明。宇宙帆船に密航し、バレてからは料理担当となった。邪悪の波動に捕われたこともあったけど、最後はウイング星人のリヒテルと幸せになった。

春日五郎太
　水野組四天王ではないが、員数合わせでPCたちと戦った。兄は通称「ディアボロス」。結婚を約束していた恋人がいたのに、藤間宏文の吸血行為で無惨な死をとげた。恋人、井川芹奈は一般人ながら藤間に復讐しようとした。

鳴神雄基
　大神会の前組長の甥。抗争に疲れ、北海道で牧場を手伝っていた。鬼塚の説得されて新宿に戻り、大神会を再興した。実はヴァルナ星人の末裔。北海道に隠されていた宇宙船を科学者に引き渡した。　大神会の生き残りには他に、タクシー運転手の沢井和義、ホームレスとなりながらも武器等の調達していた大岩信一、情報屋“ダイヤのエース”北岡朔也がいる。覚醒者でないけれども、それぞれの得意分野では頼れる奴らだ。

飛岡猛志
　20年前に橘文雄の仲間として戦った超人クロスホッパー。最終決戦で特殊能力を失ってからも、カリスマと鍛えた人間力で警視総監にまで出世した。第二部では、地球艦隊の設立時に艦隊司令となった。実年齢は70歳を超えているはずだが、外見50歳代とまだまだ若々しい。

坂本千絵
　藤間宏文のいとこ。1歳年上。秘密結社"THE NEXT"に誘拐され、王子の従者として改造された。いろいろあったがヒロインになれず、藤間宏文の同級生だった松田康介と結婚した。娘の絵里は「世界の覚醒」後に生まれた超天才児の一人。

第１話「覚醒、あるいは、黒いアタッシュケース」