第二部「降臨者」編

第５話「ウォー・オブ・ザ・ワールド（宇宙戦争）」

■戦い終わって
　藤間宏文（PC1）が月の石を集めその力を封印したことで月の石をめぐる争いは終結した。藤間宏文（PC1）は20年ぶりに坂本一家と共に暮らし始めた。洛星高校に復学し、勉学に励んで無事に洛北大学に合格した。おじさんの坂本哲男がお好み焼き屋を始めたこともあり、学生生活を謳歌しながら店を手伝うのであった。
　鬼塚悟郎（PC2）はヴァーミンイーターを退職し、鳴神雄基と共に新宿で大神会を再興していた。親の故郷である鬼塚川流域に墓参りに訪れ、御塚湖の近くで奇妙な埴輪（共生武装）を発見していた。
　橘文雄（PC3）は秦公明教授の助言もあって、父の残した資料を調べ直していた。父、橘龍太郎がパワースポットの調査を行っていたことに気づき、そのパワースポットの調査を始める。
　ナムリ（PC4）はチベットに戻り、穏やかに修行の日々を送るのであった。
　柳原真理（PC5）は、生物講師として藤間宏文（PC1）の監視任務を終えた後、その報酬でケルン大学に留学した。ライナー・ハインリッヒの仲介により“パラケルスス”ことイザーク教授に師事して、賢者の石の研究を始めるのであった。
　藤間宏文（PC1）の従姉、坂本千絵が柳原真理の上司である松田康介と結婚すると聞いて、一度集まって懐かしむのであった。

■世界の覚醒
　こうして皆は各々別の日常を過ごしていた。しかし、日常はある時崩れる。2011年12月下旬、橘文雄（PC3）はプロフェッサーZに熱海温泉へ招かれる。そこで橘文雄（PC3）はプロフェッサーZの口から、秘密結社"THE NEXT"が橘龍太郎を殺した真の理由を聞かされる。橘龍太郎は人類全てを覚醒者にする「ドラゴンロード計画」を進めていたのだ。それを危険視した秘密結社"THE NEXT"の一部勢力は、首謀者を殺すことで、その計画を頓挫させようとした。だが、プロフェッサーZが語るには、「ドラゴンロード計画」は橘龍太郎の遺志を継ぐ者によって進められているという。折しも彼らは富士山が噴火し、麓から龍のような姿が飛び立つのを見た。時を同じくして、世界各地で突如変身して暴れまわる人々が出現する。警視庁の装甲刑事部隊の出動や、ヴァーミンイーターをはじめとする調停者会議の活躍により、何とか暴動は鎮圧された。橘文雄（PC3）は父と親交があったという秦公明教授に会いに行く。橘文雄（PC3）は、父が秘密結社"THE NEXT"ではない別の何かに脅威を感じて、それに対抗するために全人類が集結しなければならないと主張していたことを知った。そして、人類の1割が悪魔憑き＜ヴィシャス＞となって滅ぼされ、1割が覚醒者（マイト）と化した事件から1年が過ぎた。後の歴史家により、2011年12月のこの出来事は「世界の覚醒」と呼ばれることになる。

■宇宙人、襲来
　チベットでは、高僧ラーフが空を見上げて飛行物体を目視し、ナムリ（PC4）に「ついに奴らが来た。仲間を集めろ」と思わせぶりなことを言っていた。2012年6月21日、グリニッジ標準時12時、世界各地の主要都市の上空に銀色の円盤が出現した。ワシントンD.C.では円盤からの破壊光線でホワイトハウスが爆破された。グレッグ・ハートマン大統領も行方不明となった。パリの学会に来ていた柳原真理（PC5）は、ドイツのジークフリードとヒルダが駆けつけて戦うのを見ながら、一般人の救出に尽力するのであった。

　新宿、都庁上空の円盤からトライポッドが放出されて、都市を破壊し始めた。警視庁の飛岡猛志と共に橘文雄（PC3）が現場に駆けつけた。橘と合流した鬼塚悟郎（PC2）も大神会の精鋭を率いて戦い、三体のトライポッドを破壊した。

　大阪、通天閣上空の円盤からトライポッドが放出され、大阪の町が破壊されていった。藤間宏文（PC1）の手伝うお好み焼屋もトライポッドに踏みつぶされてしまう。藤間宏文（PC1）、坂本美絵、坂本哲男の３人は家の倒壊に巻き込まれた。何とか這い出した藤間宏文（PC1）の脳裏に謎の美少女の声が響く「力が欲しいか」と。「力が欲しい」と即答した藤間宏文（PC1）の封印が解かれ、悪魔の姿に変身した。藤間宏文（PC1）は、おじさん、おばさんを戦いに巻き込まないために敵を離れた位置におびき出そうとするが、トライポッドは容赦なく火炎放射機をおじさん、おばさんのほうへ向ける。間一髪、どこからともなくあらわれた氷の城塞に火炎は阻まれ、その隙に藤間宏文（PC1）はトライポッドを倒す。助けたのはアリョーシャだった。アリョーシャから宇宙人の侵略がはじまったことを聞かされた藤間宏文（PC1）はしばらくアリョーシャと行動を共にする。

■翼の記憶
　ナムリ（PC4）はラーフからドラッケン星人による地球侵略が始まったことを知らされて、日本に渡り鬼塚、橘と合流した。その後、大阪で藤間と合流し、また帰国した柳原とも合流した。柳原真理（PC5）はジェシカのことが気になると言い、京都に行くことを主張する。柳原真理（PC5）は、ドラッケン星人は調和と芸術を愛する種族で、宇宙の敵を排除することが目的であるという知らないはずのことを思い出した。柳原真理（PC5）以外の４人は橘龍太郎が調査していたパワースポットの一つであり、京都にある旧秘密結社"THE NEXT"の基地（今は橘の家）に向かった。柳原真理（PC5）は記憶を取り戻したジェシカから、自分はウイング星人で、危険な科学技術が発展しすぎてしまった結果滅びたウイング星から今は亡き姉エリカと共に渡ってきたと聞かされた。その時の脱出カプセルが旧秘密結社"THE NEXT"の基地周辺から見つかるはずだと告げる。また柳原真理（PC5）の持つ奇妙な記憶について、自分の姉エリカが乗り移ったからだと言った。 　

　橘の家を探索していた方は、突如暴力衝動に駆られた橘文雄（PC3）が壁をたたき破壊する。するとそこから地下への隠し通路が見つかった。秘密の地下室には脱出カプセルが安置されていた。ナムリ（PC4）が脱出カプセルのデータベースを調べて、ウィング星人、ヴァルナ星人、ルナビット星人の特徴を知る。

■降臨、月影の王子
　その後、柳原真理（PC5）と合流し、５人でもう一つのパワースポットである御塚湖に向かう。そこで彼らは湖の中から何か思念のようなものを感じた。藤間宏文（PC1）は、頭の中で何者かの「お前が望めばそれはやって来る」という声を聞く。「それ」とは地球を救う何かだと解釈した藤間宏文（PC1）は「来い」と言う。すると空からムーンストライダーという大型バイクのようなものが現れる。藤間宏文（PC1）は乗れと言われているような気がしたためバイクに乗り、ナムリ（PC4）、柳原真理（PC5）も同行する。
　一方で、トライポッドによる第一次侵攻の後沈黙していた都市上空の円盤からの攻撃が再開したと聞いた鬼塚悟郎（PC2）と橘文雄（PC3）は新宿の様子が気になり、ヴァーミンイーターの京都支部に行き、ヘリに乗って山崎と共に新宿に向かう。

　ムーンストライダーに乗った藤間宏文（PC1）たちはわずか数分で月の裏側にあるルナビット族の居住区に到達する。ルナビット族は地球が滅亡することで月に影響が波及することを恐れ、月の石を持つ者にのみ扱えるという宇宙帆船を彼らに渡す。そして、藤間宏文（PC1）たちは火星の前線基地を叩かなければドラッケン星人の地球への侵攻を止めることはできないと知らされる。
　新宿で大量の機械兵の攻勢に苦戦していた鬼塚悟郎（PC2）たちの前に、月からムーンストライダーが降臨した。機械兵を一掃した藤間宏文（PC1）は仲間に事情を話した。そして、ドラッケン星人の目が地球に向いている間に、少数精鋭で宇宙帆船で火星基地に攻め込むことにした。

　火星の基地に向かった藤間宏文（PC1）たちは、ドラッケン星人と遭遇した。ドラッケン星人の地球攻撃指揮官は「地球人は宇宙の敵である」という考えを頑として変えず、結局戦うことになる。戦いの結果、ドラッケン星人に瀕死のけがを負わせるが、最後の力で自爆装置を起動する。命からがら藤間宏文（PC1）たちは脱出し地球に帰る。
　地球の円盤は火星基地の自爆と共に爆発したという。しかし、これでドラッケン星人の侵攻が止むとも思えない彼らはドラッケン星人との平和的解決を目指し、仲介となる第三国を探すべく５人と、ラーフ、アリョーシャ、シンドバッドを加えた８人で宇宙船に乗って旅に出る。

【次回予告】
蒼い銀河を背に受けて、青春の旅立ちが始まる。
星の欠片になろうとも、自由の道をひた走る。
鉱物生命体、宇宙ライオン、宇宙の戦士、星の狼。果たして地球人の味方はいるのか。 二等船室の冷凍睡眠は危険だー。宇宙洞爺湖で、サミットは無事開催できるのか。
次回、第６話「惑星ソラリス」にジャンプイン！

第６話「惑星ソラリス」