GMの感想
キャンペーンに参加したプレイヤー、および支えてくれたサークル運営部に、ありがとう、そして、ありがとう。
　2013年12月に発売された新作ということで、全員が慣れていないシステムで、自身初の試みとなる戦記キャンペーンでした。始める前はどうなることかと思いつつも、イザ始まってみると、PC設定やプレイヤーの言動、そしてサイコロの出目によって話が盛り上がっていきました。

第１話「騎士の矜持」
　第１話は、見ず知らずの者たちが共通の目的を持って結集する話でした。ゆえに『七人の侍』を参考にシナリオを作っています。依頼人が若い女性なのは「SAMURAI 7』ですね。シフド・ライは、三船敏郎演じる菊千代の役割です。ロードに憧れる一般人との対比で、プレイヤーにロードの役割を認識してもらうという想定でした。

第２話「風と炎の魔神」
第１話目でルールに慣れたということで、第2話はマスコンバットルールの導入です。戦力集めが目的の一つとなりました。手ぶらで援軍要請の交渉に行ったのは想定外でしたが、クリティカルのおかげで、先行投資という形で落ち着きました。この女性NPC、ヴェラに見せた聖印判定のクリティカルがキャンペーンの方向性を決めたと言えます。
　一方で、敵側ではノイ（PC2）の過去設定や黒騎士などの設定回収のために、強化邪紋使いという非公式データと、それを開発した錬金術師を登場させました。被験者ナナがPCに本名（ナルディア）を呼ばれなかったのが残念です。親密度を深めることができませんでした。シナリオ名とNPC名は『ロードス島戦記」へのオマージュです。

第３話「逆襲のグラスヴァール」
キャンペーンの折り返し点ということで、城奪還の軍事シナリオです。攻略方法は複数想定していました。第1話オープニングでPC1が脱出に使った抜け道も、罠として残してありました。単身乗り込むなど明らかに失敗しそうな作戦はプレイヤーが相談して抑止。最も無難な陽動作戦に落ち着きました。
PCレベル4だったので本来は使用可能レベルに至っていないのですが、盛り上げるため「フラッグ」ルールを導入しました。マスターが信念を問う修行シーンはやりたかったことの一つです。超回復アイテムの仙豆を与えたのはやり過ぎだったかも。

第４話「ウェディング・ベル」
前半3話は集結と怪物退治、戦争、戦争がテーマだったので、ここらで秘密結社の暗躍を主軸にしました。キャラクター作成時に政略結婚もあり得ると言っていた話が現実となり、内心驚きました。これまでのPC1の女性関係が状況に合致しすぎていたので、グランクレストの公式設定を踏まえた結婚式の惨劇という陰謀を起こしました。シナリオ名は、昭和時代の歌より。振られた女性が結婚式に招待されて、心の中で毒づくという歌詞ですが、ファンタジー世界に置き換えると闇アイテムの力でテロ成立してしまうという。

第５話「ドラゴンスレイヤー」
キャンペーンのクライマックスは当初から二本立てで考えていました。龍退治と天下統一決戦のどちらを先にするか。自然災害からの復興というインターバルでの各PCが何をするかという場面を描写したいと思い、龍退治を第５話にしました。3体登場と、各戦線におけるヴァレフール伯爵の最期と、アントリア子爵の毒汚染は（ランダムイベントではなく）確定事項でした。最終回への伏線。ゴジラとの戦闘は、飛行魔法の活用を想定していましたが、実際には2人の英雄的行為で勝利、さすがです。

第６話「英雄戦争」
最終回は決戦と戦後政治を想定していました。敵のフラッグはマスコンバットで士気が減りにくい「ミュルミドーン」であり、防御に長けたパラディンが存在するという事前情報を与えていたのですが、泥沼の持久戦になってしまったのはGMの読み違い。10ラウンド、4時間半は長過ぎました。戦闘に時間がかかり過ぎたため、戦後政治をじっくり描写する時間もなく、簡単にエピローグを演出するのみで終わったのは反省の残る点です。
邪紋使いの扱いについて、設定上で混沌が高まり過ぎたら危険と解釈してバックトラックというハウスルールを導入しました。場面の混沌レベルとは別に体内混沌レベルというパラメーターを有し、合計値が10以上になれば戦闘後に判定することになります。PC邪紋使い2人のうち、PC4が失敗して悲劇に陥りました。
援軍NPCの扱いについてもルールを決めておきました。戦闘にかかったラウンド数と2d6を比較して、不足した場合に犠牲者が出る。犠牲者は一覧表からランダムで決定するので、最悪はPC1の妻ヴェラが戦死する可能性もありました。実際にはサイコロの目で、キャンペーンを通じて活躍したNPC2人と、PC5の弟という、悲劇制の高い人物が選定されてしまいました。PCと味方NPCから戦死者が出たことで、セッション後は何とも言いがたい雰囲気に。これも戦記キャンペーンの持ち味の一つでしょう。

プレイヤー、GM互いに不慣れな点もありましたが、全6話（７回）、誰一人遅刻欠席なくキャンペーンをやり遂げられたことが一番の喜びです。ありがとうございました。今度はプレイヤーでグランクレストRPG戦記に参加してみたいです。