フリープレイ2『ダブルクロス忍法帖』
【プレイヤー募集用紙】

「愛する者よ、死に候え」と【プレイヤー募集用紙】に書いておいた。アニメ版『バジリスク　甲賀忍法帖』のオープニング・ナレーションの決め台詞である。『甲賀忍法帖』をやるわけではないが、同様の悲劇的結末をプレイヤーに連想させるため使用した。『ダブルクロス』初版を手にしたときより構想４年、ついに「忍法帖」ステージでのシナリオをプレイすることが出来た。奇しくも28日は月命日である。山田風太郎先生（2001年7月28日、79歳で逝去）の作品の雰囲気を受け継いだ「忍法帖TRPG」に相応しい日である。「幸福な結末がない」と明記した募集用紙を見て集まった侠気あふれるプレイヤーは、５人とも『ダブルクロス』のGM経験者であった。忍者モノに関する知識についても、濃い忍法帖マニア、柳生ファン、時代劇ファン、『夜桜忍法帖』経験者など、望外の良きプレイヤーたちに恵まれた。初見でこれだけのプレイヤーが集まってくれるのだから、JGCという場はやはり素晴らしい。

まずは、全滅エンディングの可能性があると説明し、それでも構わないという覚悟を問うた。それから通常の『ダブルクロス』との違い、世界観などを説明した後、ハンドアウトを配布し、５人のキャラクターから希望を選んでもらった。しかる後に、作成済みデータを配布した。通常のゲームでは滅多に使用しない要100％とか要120％とか書かれたエフェクトを持たせてあり、Dロイスもあり、かなり強力なキャラクターたちである。忍法帖らしい悲劇的結末を想定しながら、ロールプレイしてもらった。抜け忍、幻術師、公儀隠密、柳生の剣士、みなそれぞれに個性を発揮したが、特筆すべきは隠れ切支丹を担当したプレイヤーであろう。最初から自律判定による回復を度外視したプレイで活躍し、クライマックスも相討ち（エフェクト［ラストアクション］使用）で重要な役割を果たした。その時点で、残りロイスは０個。最後の行動で“神”をロイスからタイタスに書き換え、昇華して喪った。数々の強力エフェクトが飛び交うクライマックスも初めて見たが、ロイスを全て喪ったキャラクターは初めてだ。そして、いわく「四郎の名は捨てる。これからは加藤保憲と名乗る」と歴史の闇に生きる魔人として暗躍を始めた。他のキャラクターは、幕府の滅殺工作で死んだと思われ（タイタスにより後で蘇生）世を捨てて、さすらいの旅路に。

GMとしては大満足のセッションだった。プレイヤーが『ダブルクロス』経験者ばかりだと、超強力エフェクトを連発しても許容されるし、非常識な哀しい結末にも納得 して頂けて良かった。
余韻にひたりながら、アフタープレイで経験点を計算し、予定終了時刻16：00ちょうどに終了した。キャラクターシート、ハンドアウト、レコードシート、およびレジュメは記念に持ち帰ってもらった。
【ダブルクロス忍法帖】覚書（8月28日版に一部加筆）

　　8月26日、横浜一人旅
　　8月27日、会場到着
　　フリープレイ１『ガープス』
　　8月27日夜　放浪編
　　シェアードワールド・ノベル・トークショー
　　8月28日、朝の紅茶
　　フリープレイ２『ダブルクロス』
　　閉会式